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 歴史的建造物にみる抗菌知識

  古代エイジプのミイラには、腐敗から守るために、天然のコールタールやプロポリス、オレガノ
  やシナモン、クミンなどのスパイス、その他にもいろいろな香料、薬用植物を使用しています。
  どれも抗菌作用や抗酸化作用、腐敗防止作用があることを、昔の人たちは分かっていたんですね。


  日本でも天然の優れた抗菌効果を持つものが昔から知られており、それを利用しました。

  それが、東北地方に多く産出するヒバの木です。

  東北ヒバには、ヒノキチオールと呼ばれる天然の抗菌成分が含まれており、細菌やカビの増殖を
  抑える効果があることが、科学的に証明されています。
  防虫効果もありシロアリなどを寄せつけず、消臭・脱臭効果があることも分かっています。


  ヒノキチオールは、台湾に自生する「タイワンヒノキ」の精油から、日本人科学者が発見したも
  のです。
  日本に数多く植えられているヒノキ(檜)には、ほとんど含まれていないようですが、東北ヒバ
  には、ヒバ材100kgから1kg得られる程度に含まれているようです。


  タイワンヒノキや東北ヒバは、耐水性・耐久性が非常に優れており、東北ヒバを用いた古い建造
  物は、微生物などによる腐食や劣化が少ないとされています。


  松尾芭蕉で有名な岩手県平泉の中尊寺・金色堂は東北ヒバが多用されており、これによって長い
  時を経ても保存状態が良いことで有名です。
  他にも弘前城(青森県)、掛川城(静岡県)、鶴の舞橋(青森県)などにも使用されています。

  ちなみに、昭和46年に再建された「明治神宮の大鳥居」は、樹齢2450年の直径3.5mの
  タイワンヒノキが使われたそうです。

  優れた抗菌・抗カビ作用を有するヒノキチオールは、建物の保存に貢献しているだけでなく、
  中尊寺・金色堂に安置されている、藤原三代のミイラの保存にも役立っていると考えられてい
  ます。

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